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電気泳動
電源装置の種類と用途別の選び方
電気泳動やブロッティングには、実験条件に応じた電流/電圧制御が可能な電源をご使用ください。
アトー電源ラインナップ 電源の仕様について 用途別対応表 通電条件 カタログ ダウンロード 電気泳動 安全のしおり
アトー電源ラインナップ
分類 |
多機能/高仕様タイプ For EP/Blot EP Blot |
小型・軽量タイプ For EP/Blot EP | ||||
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型式 | WSE-3100 | WSE-3200 | WSE-3500 | AE-8135 | AE-8155 | |
名称 |
パワーステーションGhibli I
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電圧 | 出力 | 0~500V | 10~1000V | 5~150V | 1~300V | 1~500V |
設定 |
3~500V (1Vステップ) |
10~1000V (1Vステップ) |
10~150V (1Vステップ) |
1~300V (1Vステップ) |
1~500V (1Vステップ) |
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電流 | 出力 | 0~3000mA | 0~500mA | 0~3.00A |
1~400mA (設定によって0~) |
1~200mA (設定によって0~) |
設定 |
10~3000mA (1mAステップ) |
1~500mA (1mAステップ) |
0.01~3.00A (0.01mAステップ) |
1~400mA (1mAステップ) |
1~200mA (1mAステップ) |
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電力 | 出力 | 0~200W | 0~200W |
なし (出力制限 0.01~50W) |
なし (出力制限 0.01~25W) |
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設定 |
1~200W (1Wステップ) |
1~200W (1Wステップ) |
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タイマー |
1~999分 (1分ステップ)、カウントダウン 連続使用 |
1~999分(1分ステップ)、カウントダウン 連続使用 |
1~999分(1分ステップ) 連続使用 |
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プログラム |
最大20ファイル保存、 1ファイルに9ステップまで設定可能 |
フリー21ファイル 、10ステップ設定可能10ファイル | 無 | |||
精度 |
電圧:151 - 500V: ±2%+4digits、 電流:301 – 3000mA: ±1%+5digits、 0 – 300mA: 表示値±3mA |
電圧:表示値±(0.2% of rdg±5digit)以内 電流・電力:表示値±(0.5% of rdg±5digit)以内 |
表示値±(1%FS±1digit)以内 | |||
アラーム | 終了時、Err検出時 | 終了時、Err検出時 | Err検出時、終了時(メロディ選択可) | |||
表示 |
7インチ カラー液晶 |
LED 3桁×2行 | LED 3桁×2行 | |||
操作 | 感圧式タッチパネル | 大きなダイヤル、キー入力 | 大きなダイヤル、キー入力 | |||
出力端子 | 並列4組 | 並列4組 | 並列2組 | |||
消費電力 | 300W以下 | 300W以下 | 70W | 40W | ||
寸法 |
119(W)×417(D) ×224mm(H) |
96(W)×341(D) ×195mm(H) |
74(W)×170(D) ×170mm(H) |
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質量 | 6.0kg(本体) | 2.4kg(本体) | 0.74kg(本体) |
電源の仕様について
定電流(CV)/ 定電圧(CV)/ 定電力(CW) の設定・出力
独自の「クロスオーバー機能」
クロスオーバー機能とは、電気泳動中の電気抵抗値の変化と設定値に応じ、定電圧・定電流・定電力の出力を自動的に移行するものです。定電圧モードで使用する場合、最大電流(電力) 値を設定しておけば、それ以上の電流(電力) 出力がなく、不要な出力を自動的に制限することができます。
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例えば、AE-8135/8155 マイパワーⅡ300/500 で20mA、200Vに設定して電気泳動を始めた場合、CC20mA、100Vで出力し時間の経過とともに電圧が上昇し200Vに達するとCV200Vの制御に移行し電流が減少してくる、ということです。
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※ 定電力モードはWSE-3100 パワーステーションGhibli Ⅰに搭載されています。 クロスオーバー機能によってジュール熱の発生を抑えることができるため、支持体の温度上昇によるサンプルの変性や緩衝液の蒸発を防ぎ、電源関与のトラブルを最小限に抑えることが可能です。 |
用途別対応表
接続してご使用になる泳動槽、ブロッティング装置により、必要な仕様、電圧値/ 電流値(/ 電力値)が異なります。
左記電源一覧表および下記を参照のうえご選択ください。
型式 | WSE-3100 | WSE-3200 | WSE-3500 | AE-8135 | AE-8155 | |||||
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名称 | パワーステーションギブリ I | パワーステーションIII | パワー ステーションHC | マイパワーⅡ 300 | マイパワーⅡ 500 | |||||
コンパクトスラブ電気泳動 ミニスラブ電気泳動 |
〇 | 〇 | △ | 〇 | 〇 | |||||
スラブ電気泳動 | 〇 | 〇 | × | 〇 | 〇 | |||||
冷却スラブ電気泳動 | 〇 | 〇 | × | × | △ | |||||
シークエンス電気泳動 | × | △ | × | × | × | |||||
等電点ディスク電気泳動 | 〇 | 〇 | × | △ | △ | |||||
等電点平板電気泳動 | △ | △ | × | × | × | |||||
サブマリン型 アガロース | 〇 | 〇 | △ | 〇 | △ | |||||
セミドライ ブロッティング | 〇 | △ | 〇 | △ | △ | |||||
高速セミドライ ブロッティング | 〇 | △ | 〇 | △ | × | |||||
ウエット(タンク式) ブロッティング | 〇 | × | 〇 | × | × |
○ : 適している △ : 条件によって制限あり × : 適していない
- ポリアクリルアミド電気泳動(PAGE)の場合は、比較的高い電圧(V)が要求されます。特に冷却する場合、泳動槽が大きい(電極間距離が長い) 場合は高電圧(V)が必要です。
- アガロース電気泳動やブロッティングの場合は、比較的高い電流(数百mA ~ A)が要求されます。
- 等電点電気泳動では低電流(0~数mA) 域での安定した出力が必要です。
- ブロッティングでは低い電圧(V)出力が要求されることがあります。パワーステーションⅢは10V以下、パワーステーションHCでは5V以下では安定出力が出来ませんので条件を確認ください。
- パワーステーションHCで電気泳動する場合、0.09A以下の電流は表示精度が低下します。
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複数台の泳動槽を接続する場合、接続台数×電流(mA)が必要となり、電流(mA)と電力(W)が多く必要です。
- 出力端子は電源装置内では並列に接続されています。
- 弊社泳動槽付属のリード線は接続可能です。他社のリード線と接続する場合はサイズ・安全をご確認ください。
通電条件
通電条件は、接続してご使用になる泳動装置、ブロッティング装置の取扱説明書を参考に設定してください。
一般的には、「おおよそ電流は通電面積に比例し、電圧は電極間距離(ゲル長) に比例する」という原則があります。
例えば、2連の泳動槽で、通電条件をゲル1枚あたり20mA 定電流としたい場合、ゲル2 枚をセットしたときは、通電面積が2倍になるので40mA に設定します。1mm 厚のゲルに対し、通電条件を20mA 定電流とした場合、同条件で2mm 厚のゲルを泳動するには40mA に設定する、というのも同様です。
1台の電源装置に電気泳動槽を2台(出力端子から各々1台) 接続する場合は、上記のゲル枚数を増やしたり、ゲル厚を増やすのと同様に、通電面積が増えたことになるため(通常電源内部は並列回路です)、定電流設定なら電流値を2倍に、定電圧設定なら電圧値はそのままでよいわけです。
電圧に関しては、泳動距離が長い場合(大きな泳動装置)や温度が低い場合等は、抵抗が大きくなるのでより高い電圧を必要とする場合が多くなります。
「電源装置シリーズ」カタログ
電気泳動 安全のしおり
電気泳動を安全に実施いただくための「電気の解説書」です。是非ご一読ください。