テクニカルインフォメーション

遺伝子発現計測、レポーターアッセイからATP、活性酸素測定まで

化学発光(Chemiluminescence)や生物発光(Bioluminescence)は、ATPアッセイや活性酸素・抗酸化能測定から、ルシフェラーゼをレポーターとした遺伝子発現解析など、多岐にわたる分野で利用されています。アトーの発光検出装置はマイクロプレートからテストチューブ、ディッシュなど多様なサンプル形態に対応し、生命科学の先端で活用されております。

型式・製品名 AB-2270 ルミネッセンサーOcta AB-2350 フェリオス AB-2550 クロノスDio
 

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※2024年2月に販売を終了いたしました。

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AB-2550 KronosDio_製品画像1.jpg
検体数 1検体 96/384検体 8検体
検出器 光電子増倍管(PMT) 光電子増倍管(PMT) 光電子増倍管(PMT)
検出方式 フォトンカウンティング フォトンカウンティング フォトンカウンティング
容器 φ12mm×55mmチューブ
1.5mL遠心チューブ
マイクロプレート96well/384well φ35mm培養ディッシュ
温調機能 室温 +5℃~40℃(オプション) 室温 +5℃~40℃ 室温 -5℃~45℃
CO2ガス導入 × × ○(5%調整)
保湿 × ×
試薬分注 ×
色分離機能
装置制御 本体パネル PC制御 PC制御

リポータージーンアッセイ

遺伝子発現解析法の1つ、リポータージーンアッセイ(Reporter Gene Assay)において、リポーター遺伝子にルシフェラーゼを用いたものをルシフェラーゼアッセイ(Luciferase Assay)と言います。
ルシフェラーゼを用いて遺伝子発現解析を行うと、発光量から目的の遺伝子の発現量を定量的に調べることが可能です。

発光検出_1.png

ルシフェラーゼアッセイ(シングル)

ベーシックなルシフェラーゼアッセイ法です。
キット化されているものが多くあります。
細胞の活性や数などが問題となり、サンプル間のデータ比較が難しい場合があります。
そのため、内部標準を設けることができるデュアルルシフェラーゼアッセイへの切り換えが進んでいます。

デュアルルシフェラーゼアッセイ

2種類のルシフェラーゼ遺伝子を使うルシフェラーゼアッセイです。
目的遺伝子のプロモーターと1つ目のルシフェラーゼ遺伝子を連結、安定して発現する遺伝子のプロモーターと2つ目のルシフェラーゼ遺伝子を連結してアッセイを行うことで、
2つ目のルシフェラーゼを内部標準とし、サンプル間のデータ比較の信頼性を上げることができます。
2種類のルシフェラーゼを使用するため、至適条件の異なる発光基質を2回添加する必要があります。

マルチカラールシフェラーゼアッセイ

2~3種類のルシフェラーゼ遺伝子を使うルシフェラーゼアッセイです。
3種類のルシフェラーゼに対して1種類の発光基質を1回添加するだけですべての遺伝子発現を計測できます。
よって内部標準と2種類の遺伝子発現を同一サンプルで計測が可能です。また条件変化による発光量のばらつきの問題も起こりません。
3色が同時に発光するため、計測器には色分離計測機構が必要になります。各種ルシフェラーゼアッセイのアトールミノメータ対応表

ルシフェラーゼアッセイ(ライブセルアッセイ)

細胞破砕せず、培養しながら測定をする方法です。
分解促進シグナル(PEST 配列など)を付加したルシフェラーゼ遺伝子を用れば、細胞内でのルシフェラーゼの寿命を短くできるので、プロモータ活性の変化への追従が向上します。

各種ルシフェラーゼアッセイのアトールミノメータ対応表

測定法 AB-2270 AB-2270-R AB-2350 AB-2550 AB-3000B
ルシフェラーゼアッセイ
デュアルルシフェラーゼアッセイ × ×
マルチカラールシフェラーゼアッセイ
ライブセルアッセイ × ×

製品紹介

CLuc RAKit_360pix.jpg
Clucレポーターアッセイキットは、ウミホタル由来の分泌型ルシフェラーゼの遺伝子・ベクターと発光基質を含む、レポーターアッセイキットです。
細胞外に分泌されるという特長を持ち、細胞毒性も低いことから、長期間の培養に対応できる他、細胞や組織外に分泌されたルシフェラーゼを回収しつつ経時的な変化を調べるexo vivoの測定系を作ることが出来ます。

活性酸素測定

発光検出_2.png

応用例

  • 好中球やマクロファージの活性酸素産生能の評価
  • 活性酸素消去系(スーパーオキシドジスムターゼ、カタラーゼ等)の測定
  • 活性酸素生成系(NAD(P)H オキシダーゼ、キサンチンオキシダーゼ等)の測定

発光測定のアトールミノメータ対応表
AB-2270/AB-2270-R ではオプションの温調機能追加をおすすめします。

測定法 AB-2270 AB-2270-R AB-2350 AB-2550
活性酸素測定

抗酸化能測定

発光検出_3.png

抗酸化能測定の基本的な考え方
(a) : [ヒポキサンチン-キサンチンオキシダーゼ系など一定量のスーパーオキシドを生成する系で発光強度を測定]
(b) : [(a) 系に抗酸化試料を添加した後の発光強度を測定]この二つの値から阻害率を計算します。

阻害率(%)=[1-(b)/(a)]× 100

 

発光測定のアトールミノメータ対応表
※測定には試薬の自動分注をおすすめします。

測定法 AB-2270 AB-2270-R AB-2350 AB-2550
抗酸化測定

製品紹介

MPEC(AB-2950)

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MPECはスーパーオキシド(O2-)と特異的に反応する発光試薬です。
従来の発光試薬よりも中性溶液中で高いS/Nが得られ、溶存酸素との反応性も低いので低濃度のスーパーオキシドも検出できます。

 

CLETA-S(AB-2970)

AB-2970 CLETA-S.jpg

CLETA-Sは酸素ラジカルの中のスーパーオキシド(O2-)を消去する能力「抗酸化能」を測定するためのキットです。
測定に必要な各種の試薬が調製済みで キット化されています。必要な容量を分注してすぐにご使用いただけます。

細菌・細胞活性測定

ATPアッセイ(生物発光)

微生物などに由来するATPを発光により測定することで、微生物の有無(数) を計測することが可能です。
ATPはMg2+ 存在下でホタルルシフェリン・ルシフェラーゼ試薬と反応して発光し、これをATPアッセイと呼びます。
ATPアッセイはHACCPのふき取り検査や、食品材料・加工品などの汚染の検査などに利用されます。

発光検出_4.png

発光測定のアトールミノメータの対応表
※測定には試薬の自動分注をおすすめします。

測定法 AB-2270 AB-2270-R AB-2350 AB-2550
ATP測定
ELISAから高感度ELISAへ

アレルゲン(抗原) や特定のタンパク質を感度良く検出する方法にEIA(エンザイムイムノアッセイ) があります。
検出には発色系が多く利用されていますが、発光系にすることで高感度化できます。
発色検出から発光検出への移行は、添加する基質を変えることと、検出器をルミノメータに変更することで可能となります。
多検体のスクリーニングでは、マイクロプレートを用いたELISAキットを使用します。
また、抗体を固定化した磁気ビーズを使って抗原をトラップし、試験管で検出することも可能です。

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発光測定のアトールミノメータの対応表

測定法 AB-2270 AB-2270-R AB-2350 AB-2550
ELISA ×

カルシウムイオン濃度

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測定発光測定のアトールミノメータの対応表

測定法 AB-2270 AB-2270-R AB-2350 AB-2550
カルシウムイオン濃度測定 × ×