ペリスタクォンタムポンプによる流体制御

ペリスタクォンタムポンプのようなチューブ式ポンプは、チューブの弾性を利用して流体を移送します。このポンプの核心となるのは、ローラーがチューブに沿って移動することによりチュー ブを連続的に圧迫し、この圧力とチューブの復元力を原動力に流体を移動させるメカニズムです。ペリスタクォンタムポンプは自走式ローラーを採用しています。主軸（A）が回転するとその周 囲にあるローラー（B）が軸の回転方向に移動します。ローラー（B）はチューブと接触すると、主軸（A）とは逆方向に自転しながらチューブを圧搾します。圧搾部を通過するときにチューブ 内は負圧になり液体が吸い込まれ、回転動作により突出側に送液されます。 液体がチューブ内を通るだけで、ポンプの他の部分とは接触しないため、汚染のリスクが極めて低く、またチューブを交換するだけで、清掃やメンテナンスが簡単にできます。さらに、チュー ブの弾力性により、粘度の高い液体や粒子を含む液体も送液できます。ペリスタクォンタムポンプは精密な流量制御と高い再現性を実現しており、医療、研究、工業など、幅広い分野での用途に適応することが可能です。

半世紀を超える技術の蓄積と革新の融合

創業当初からの約60 年の開発実績と最新の技術が融合し、ブラッシュアップされて使い勝手と高性能を兼ね備えた革新的な小型の高性能デジタルポンプへと進化しました。新しいローラーシステムを採用し、脈動の影響を低減しながら、再現性の高い流量精度と安定性を実現。さらに、直感的でシンプルな操作性を追求し、チューブの脱着を片手でワンタッチで行える便利さ、誰でも簡単に使用できるタッチパネル操作を可能にしました。使い勝手と性能を兼ね備えた革新的な流体制御ソリューションとして、信頼性と利便性を求めるユーザーにお使いいただける製品です。

ワンタッチ操作でチューブセット完了

直感で設定できるかんたん操作

セミオート操作でかんたんキャリブレーション

	流量（％）と送液時間の入力スペースをタップするとテンキーが表示されるので任意の数値を入力します 送液方向を確認し、スタートボタンをタップします 設定時間が終了すると自動的に停止します
	送液する溶液をセットし、吐出側にメスシリンダーなどをセットします 送液終了後の溶液量を計測します送液された溶液の重量を計測し、比重から換算することもできます
	送液された溶液量をテンキーで入力して確定します ホーム画面をタップして、送液を開始します

広範囲な流量領域で高い流量精度を実現

『WSP-3310 ペリスタクォンタムポンプ』は、0.01 rpm から50 rpm の広範囲（最大5,000 倍の調整範囲）で、ポンプの回転数に応じて流量が比例し、一貫した直線性（R2 乗係数＝ 1）を示します。1 mL/min から40 mL/min までの設定流量で実施した長時間の送液実験において、チューブが安定するまでの初期の1 時間を除き、CV 値が1.07％と非常に安定した流量制御が可能であることが確認されました。また、液体の温度による影響を検証した結果、同一温度下では、安定した送液が実現可能であることが示されました。これらの結果から、ペリスタクォンタムポンプは広範囲の流量領域において高精度かつ安定した送液を実現することが示されています。